古川池について
古川池は阿武隈川の旧河道です。ショートカット工事が実施されたことにより、現在の三日月湖(馬蹄形水路)が誕生しました。第一から第四まで四つの池に分かれており、阿武隈川と完全に分離しています。
総延長約1,900m 横断幅50~80m 池面積約130,000㎡
古川池の現状 (平成26年時)
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以前からの水質汚染、土壌汚染に加え、平成23年福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染も懸念されています。放射能の値と放射線量の値を調査したところ、以下の値が検出されました。土砂が堆積していて、水の流れを受けない箇所は、1万ベクレル(*1)超えの高い値。第三池も1万ベクレル超えの高い値。また毎時1.52マイクロシーベルト(*2)の高い値。
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水の流れが悪く、雨水や生活雑排水が長期間滞留することから、ヘドロが堆積し、水質悪化や悪臭の発生、蚊、ブヨ等の発生被害が出ています。また不法投棄も認められました。
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第一池と第二池、第二池と第三池、第三池と第四池の間をそれぞれ横断する市道は、道路の沈下が続いており、大雨の時は冠水し、古川池に囲まれた住民の避難路としての機能を損なっています。
*1ベクレル(Bq):放射性物質が放射線を出す能力(放射能)を表す単位。
ベクレル=1個の原子核が1秒間に1回壊変(*A)する場合
*A 壊変:放射性物質の原子核は、放射線を出して、別の原子核か同じ原子核のより安定な状態に変わること
*2シーベルト(Sv):放射線被爆の人体への影響を表す単位。
実効線量(放射線が人の健康に与える影響を表す線量)。
【放射線量(実効線量)の基準】
国際放射線防護委員会による「放射線量の指標値(年間積算線量)」
*この指標値には自然界から受けるといわれている年間2.1ミリシーベルト
(日本平均)の放射線量や医療によって受ける放射線量は含まない
緊急時:20~100ミリシーベルト
緊急事故後の復旧時:1~20ミリシーベルト
平常時:1ミリシーベルト以下
原子力施設からの放射線の量をなるべく低く抑えて管理しようとするための指標であり、健康に影響を及ぼすか否かを示す基準ではありません。
環境省による「放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況重点調査地域の指定や、除染実施計画を策定する地域の要件」
毎時0.23マイクロシーベルト以上の地域
*この数値は、追加被ばく線量年間1ミリシーベルトを、一時間あたりの放射線量に換算し、自然放射線量分を加えて算出した値
国が定めた「計画的避難区域」
1年の積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれのある区域